公園で事故率が高い遊具は『すべり台』、中等症以上のリスクが高いのは『雲てい』

公園で事故率が高い遊具は『すべり台』、中等症以上のリスクが高いのは『雲てい』

過去に消費者庁から『遊具による子供の事故にご注意!』という発表がありました。

発表によると、「身体を動かして遊ぶことは子供の心身の発育に重要」としながらも、公園で発生する事故の3割近くが入院を必要とする事故につながっているといいます。

目次

比較的危険が少なそうな滑り台が一番危険

遊具別の発生件数を見てみると、滑り台が群を抜いている。次にブランコ、鉄棒の順番。

出典:消費者庁

よく見てみると、『雲てい』の中等症以上の割合が一番高い。

実際の事故では、後頭部を強打するケースがほとんどのようで、一番、危険部位を強打する可能性の高い遊具ということです。

例えば、保育園にある高さの低い雲ていを出来る子が、公園にある大人用の雲ていで落ちてしまい、頭を強打するというケースがあります。

小さい子が大人用の雲ていから落ちれば、2階相当から落ちた事になるのです。

一瞬の出来事なので見守る事は難しいので、そういった場合は『する事』自体を控えるしかありません。

ヘルメットは遊具によってはひっかかってしまいますが、雲ていであれば安全性が高くなりそうです。

また全ての遊具に言えることですが、帽子などは頭への衝撃を緩和してくれます。

公園での事故割合
出典:消費者庁

具体的な事故例は以下の通り

【事例1】
約3mのジャングルジムの頂上から2歳児が転落。
後ろ向きに落ちた。地面は人工芝だったが、後頭部に数cmの血腫が認められ、約1週間の入院となった。
(2歳・男児・中等症)

ジャングルジムも落ちるリスクが高い遊具なので、まだ慣れていないときは下の方で遊ばせた方が良いです。
慣れたとしても、手が小さくて十分に握れなければ、同じく下の方で遊ばせるべきだと思います。
靴もサンダルなどは問題外。靴裏のデコボコが少ないタイプも滑りやすいので要注意です。
また、万が一落ちても衝撃を吸収できるように、帽子を被ることを推奨します。

【事例2】
上の子のお迎えについていき、滑り台の一番上に登って遊んでいた。
親が上の子に気を取られていた時、落下音がし、見ると滑り台から転落していた。頭部打撲と顔面出血があり、約1週間の入院となった。
(1歳・女児・中等症)

同時に二人を見る事が難しければ、同時に遊ばすこと自体を控えた方がいいです。
1歳くらいの小さいこどもの場合は、目を離す=事故だと思った方が良いです。

【事例3】
滑り台の手すりのつっぱり部分にポンチョが、引っ掛かり、首が締め付けられる状態となり、救急搬送されたが後日死亡。
(1~4歳・女児・死亡)

悲しい事故ですが、滑り台の『滑る部分』は、寝そべると側面の壁で状態が見えなくなってしまい、発見が遅れてしまいます。
すべり台の形状にもよりますが、ポンチョに限らず、他の服でもひっかかってしまう可能性があるので、常に子供から目を離さず、見えなくなっても、すぐに自分を見える位置に移動させることです。
目の前で見る状態がベストといえるでしょう。

【事例4】
滑り台の滑走面を立ち上がって逆行していた。
上から滑り出した別の子供と接触し、約3mの高さから地面へ転落。
頭蓋骨骨折の重傷を負った。
(5~9歳・男児・重症)

こどもはルールを知らないので親が見守ってください。

公園での必要な見守り

公園での必要な見守り

遊具による事故はいろいろな原因があり、中には遊具自体の破損などによるケースもあります。

しかし、それらを含め見守る人が注意をすることで、ほとんどの事故は避けられるとしています。

具体的な注意のポイント

具体的な注意のポイントは、

  1. 施設や遊具の対象年齢を守りましょう
  2. 6歳以下の幼児には保護者が付き添いましょう
  3. 子供の服装や持ち物に注意しましょう
  4. 遊具ごとの使い方を守らせましょう
  5. 遊具を使う順番待ちでは、ふざけて周りの人を押したり突き飛ばしたりしないようにさせましょう
  6. 天候にも気を付けましょう
  7. 遊具の不具合や破損を見付けたら、利用を控え、管理者に連絡しましょう

理由は、以下の通りです。

施設や遊具の対象年齢を守りましょう

施設や遊具には対象年齢があるものがあります。

小さな子供を年齢に見合わない高さの遊具で遊ばせた結果転落してしまい、大きなけがを負った事例がありました。

6歳以下の幼児には保護者が付き添いましょう

消費者庁に寄せられた事故情報では、6歳以下の事故が7割を超えています。

子供の服装や持ち物に注意しましょう

消費者庁に寄せられた事故情報では、遊具に服の一部や持ち物が引っ掛かったり、絡まったりして、死亡に至った事故がありました。

頭や首の周り、背中、裾にひもやフードの付いた子供服や、肩に掛けるかばんやリュックサックのベルト等は、遊具に引っかかって思わぬ事故に繋がる可能性があります。

遊具ごとの使い方を守らせましょう

滑り台で反対側から登る、柵を乗り越えるなど、本来の使い方でない遊び方をして、大きなけがを負った事例もありました。

子供にとって本来の遊び方と違う使い方で遊ぶことも楽しいことですが、大きな事故につながることもあるため、正しい使い方を教えることは大切です。

遊具を使う順番待ちでは、ふざけて周りの人を押したり突き飛ばしたりしないようにさせましょう

滑り台に登る階段やはしご、順番待ちをしている滑り台頂上部などや、ブランコの柵などの遊具の周辺の部分でも事故が起きています。

天候にも気を付けましょう

屋外に設置してある遊具では、夏場は表面の温度が80度近くになるものや、雨に濡れて滑りやすくなるものもあります。

雲ていや鉄棒、ジャングルジムなどは、濡れていないか確認してから使用しましょう。

遊具の不具合や破損を見付けたら、利用を控え、管理者に連絡しましょう

消費者庁に寄せられた事故情報には、遊具の破損が原因と思われる事例もあります。

管理者が分からない場合は、近くの消費生活センターに連絡しましょう。
(消費者ホットライン:電話番号188)

公園が子どもにとって楽しい遊び場になるか、危険な遊び場になるかは大人次第です。

この記事を書いた専門家

安藤博美のアバター 安藤博美 愛玩動物飼養管理士

愛玩動物飼養管理士で愛犬の専門家であり、飲食業と農業で培った野菜や果物、肉魚などの知識も豊富。バリ島から連れて帰ったキンタマーニ犬とボーダーコリーと暮らしています。

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