日本通信SIMの料金プランや通信品質はどう?メリット・デメリットまで紹介

日本通信SIMの料金プランや通信品質はどう?メリット・デメリットまで紹介

日本通信SIMは、株式会社日本通信が提供している格安SIMです。

日本通信SIMでは下記のような経営理念(ミッション)を掲げていて、通信サービスを安価な料金で提供しています。

携帯キャリア業界の収益性の高い料金の源は、使い切れないほどのデータ量や通話時間を契約してもらったり、逆にデータ量や通話時間が足りなくなり、高額な超過料金をお支払いいただくケースから成り立っていると世界中で言われています。

これを俗に”breakage(ブレケッジ)”と呼びます。
ブレケッジはお客様が、無駄あるいは割高な料金を支払っていることを意味しています。

当社はこのブレケッジの問題に取り組み、お客様にとって合理的な携帯料金プランの提供を目指しています。

日本通信公式HPより

ここでは、そんな日本通信SIMの料金プランや通信品質、支払い方法や申し込み方法、メリット・デメリット等、日本通信SIMに関して知っておきたい情報を紹介していきます。

目次

日本通信SIM4つの料金プラン

日本通信SIMには下記の4つのプランがあります。

4つのプランのそれぞれの特徴、おすすめの人は次の通りです。

シンプル290

月額料金290円で、音声通話と1GB~のデータ通信を利用できるプランです。格安SIMの中でも最安クラスの料金で音声通話も利用できるのが特徴です。

+220円で+1GBのデータ通信量を追加できます(最高100GBまで)。

  • ~1GB..290円
  • ~2GB..510円
  • ~3GB..730円
  • ~4GB..950円
  • ~5GB..1170円

というように、使った分だけ料金を請求されます。

1GBは言うまでもないですが、3~4GB程度までで見ると格安SIMの中では最安といっても良い月額料金の設定になっています。

自分で設定した上限値を超えると低速通信になる仕組みになっており、例えば毎月3GBまで使いたいなら上限値を3GBに設定しておくと良いです。上限値の設定に関わらず、実際に使った分以上の請求はありませんので、3GBに設定していても2GBまでしか使わなければ料金は2GB分になります。

月額料金が安い低容量プランをお求めの方にぴったりです。

みんなのプラン

10GB+音声通話付で1,390円と、こちらも割安なプランです。更に通話が1月70分まで無料or5分かけ放題を付けることができます。

シンプル290プランと同じように、10GBを使い切っても、1GBあたり220円でデータ通信量を追加することができます(最高30GBまで)。

毎月5~10GB程度利用し、通話もそこそこ利用する人には最適なプランです。

20GBプラン

20GB+無料通話70分or5分かけ放題を利用できる、ドコモのahamoに近い料金プランです。月額料金2,178円なのでahamo等と比較すると明らかに割安です。

こちらも20GBを使い切ってしまっても、1GBあたり220円で高速通信を利用する事ができます(最高30GBまで)。

かけ放題プラン

データ通信量3GBにかけ放題がついたプランです。

かけ放題をつければ、どれだけ通話しても通話料が発生しないので、通話する機会が多い人におすすめです。

しかしシンプル290で3GBを使ってかけ放題を付けた場合の月額料金(月額2,330円)の方が、かけ放題プランの月額料金(2,728円)より安くなるので、かけ放題が必要になる場合はシンプル290にかけ放題を付ければよく、このプランを契約するメリットはないと思われます。

日本通信SIMの公式においても、シンプル290にかけ放題をつけることが推奨されています。

データ通信量が3GBでは足りない場合は、1GBあたり+220円で追加ができます。

月額基本料290円
含まれるデータ量1GB
含まれる無料通話なし
超過データ料金1GBあたり220円
最高100GBまで追加可能
追加できる通話定額オプション・通話5分かけ放題オプション(+390円)
・月70分無料通話オプション(+390円)
・通話かけ放題オプション(+1,600円)
eSIMeSIM対応
日本通信SIMデータごとの税込料金

日本通信SIMの通話料

日本通信SIMの通話料は11円/30秒です。

携帯キャリアより割安なうえ、通話の際に専用の通話アプリを介する必要もないためお得です。

かけ放題

日本通信SIMでは以下のようなかけ放題を追加できます。プランによって料金等が微妙に異なるので注意してください。

対象プラン70分無料通話5分かけ放題通話かけ放題
合理的シンプル290プラン+700円なし+1,600円
合理的みんなのプラン初期付帯+0円
※70分無料通話と交換
+1,600円
合理的20GBプラン初期付帯+0円
※70分無料通話と交換
+1,200円

合理的シンプル290プランでは、+700円で70分無料通話、+1600円でかけ放題を追加できます。

合理的みんなのプラン/合理的20GBプランでは、最初についている70分かけ放題を無料で5分かけ放題に変更する事が可能です。

これらのプランではかけ放題もつけることができ、その場合の月額料金はみんなのプランでは1,600円、20GBプランでは1,200円となります。

日本通信SIMのオプション

5Gオプション

日本通信SIMでは無料で5G通信を利用できます。5G通信を利用するには、端末が5Gに対応している必要があります。

なお5G通信を利用すると、3G通信が使えなくなる点には注意してください。

iフィルター(月額396円)

青少年にふさわしくない情報や、その他インターネットで公開されている一部情報の閲覧が制限されるフィルタリングサービスです。

18歳未満のお子様に利用させる場合は、法律によりフィルタリングサービスの使用が必須となっています。

留守番電話

月額330円で利用できます。電話に出られない場合に、伝言を受け取ることができます。

キャッチホン

月額220円で利用できます。通話中に別の電話がかかってきた際に、一時的に待たせて後にかかってきた方の電話に応答ができます。

国際電話等は無料

下記の通話サービスは無料で利用できます。

  • 国際通話
  • 国際ローミング
  • 転送電話
  • 迷惑電話お断り
  • 番号通知お願いサービス
  • 遠隔操作
  • 着信通知

データ繰り越し機能はなし

日本通信SIMではその月に使わなかったデータ通信量を翌月に繰り越せる機能はありません。

どれだけ余っても翌月に繰り越されることはないので注意してください。

HISモバイルとの料金プランの比較

日本通信SIMとよく似た格安SIMに「HISモバイル」という、日本通信と旅行会社HISの提携により提供されている格安SIMがあります。

2つの料金プランを簡単に比較すると次の通りです。

日本通信SIMHISモバイル
1GB290円550円
100MB以下しか使わなければ290円
3GB730円
1GBプランで+2GBまで使った場合
770円
7GB1,610円
1GBプランで+6GBまで使った場合
1,390円
5分かけ放題または70分無料通話付き
10GBプランで契約した場合
990円
10GB1,390円
5分かけ放題または70分無料通話つき
1,590円
7GBプランで+3GBまで使った場合
20GB3,590円
10GBプランに+10GB使った場合
5分かけ放題または70分無料通話つき
2,178円
5分かけ放題または70分無料通話つき
30GBプラン利用の場合
2,190円
5分かけ放題つき
30GB2,178円
5分かけ放題または70分無料通話つき
4,190円
20GBプランで+10GB使った場合
5分かけ放題つき
50GB6,578円(該当プランはなし)
30GBプランで+30GBまで使った場合
5分かけ放題または70分無料通話つき
5,990円
5分かけ放題つき
通話料11円/30秒9円/30秒
かけ放題料金5分かけ放題:770円/月
完全かけ放題:1600円/月
20GBプランは1200円/月
5分かけ放題:500円/月
完全かけ放題:1,480円/月

5GB~8GB程度を使う場合や、40GB以上といった大容量を使う場合などだと、プランの刻み方の都合上HISモバイルが安くなりますが、多くの場合日本通信SIMの方がやや安いことが多いです。

ただし通話料やかけ放題の料金はHISモバイルの方が安いので、額面だけ見ると日本通信SIMが安くても、通話が多い場合はHISモバイルの方がお得になる場合もあります。

このためどちらを利用する方がお得かは、実際の利用状況によって異なってきます。

日本通信SIMに対応する端末機種

日本通信SIMの回線はドコモなので、SIMフリースマホまたはドコモで購入したスマホであれば、基本的に何でも使えます。

auやソフトバンクなど、ドコモ以外で購入したスマホの場合は、SIMロックが掛かっている場合があります。

SIMロックが掛かっているとドコモの回線に繋げることができないので、事前にSIMロックを解除しておく必要があります。

日本通信SIMでは動作確認済端末一覧がないのですが、「SIMフリーで通信規格が合う端末、もしくはNTTドコモが販売した端末にてご利用になれます」とされているので、SIMロックの条件をクリアするスマホであれば、たいてい問題なく利用できます。

なおeSIM(物理的なSIMではなく端末に内蔵されたSIMで通信を行うもの)の場合は、下記のeSIM対応端末を用意するようにしてください。

eSIM対応端末
iPhone

iPhone 11~14モデル、iPhone XSモデル、iPhoneXR、iPhoneSE(第2世代、第3世代)

Android

eSIM対応で、EIDの先頭8桁が下記から始まる端末
「89049032」、「89033023」、「89033024」、「89043051」、「89043052」

iPad(データ通信のみ)
  • iPad Pro 11インチ(第1世代、第2世代、第3世代)
  • iPad Pro 12.9インチ(第3世代、第4世代、第5世代)
  • iPad Air(第3世代、第4世代、第5世代)
  • iPad(第7世代、第8世代、第9世代)
  • iPad mini(第5世代、第6世代)

日本通信SIMの通信品質はどう?通信速度は速い?

日本通信SIMの回線はドコモ回線で、みんなのネット回線速度によると、日本通信SIMの平均速度は次の通りです。

  • 平均Ping値: 52.12ms
  • 平均ダウンロード速度: 46.75Mbps
  • 平均アップロード速度: 8.87Mbps

実際の通信速度は電波の届き方などによって大きく異なるので、1つの目安と考えてください。

この通信速度であれば、一般的なキャリアスマホ程の速度ではないにせよ、超高速通信が必要になるオンラインゲームのようなものでない限り、問題なく利用できると思われます。

日本通信SIMは安価な料金を売りにしているので、通信品質を懸念する方もいらっしゃると思いますが、他の格安SIMと比較して特別劣るわけではありません。

ただし注意点として、これは格安SIM全般に言えることですが、キャリアの回線を借りて提供しているサービスなので、通信品質は各キャリアのプランと比較すると一般的に遅くなります。

特に昼間などの混雑しやすい時間帯は通信速度が下がりやすい傾向にあり、場合によっては下り速度が1~2Mbps程度になることもあります。

この速度でもメールやLINE、ブラウジング、SD動画等であれば問題なく使用できるケースは多いと思われますが、オンラインゲームや高画質の動画など、高速通信が必要になるサービスを利用したい場合は、不便に感じる可能性があります。

参考までに、Youtubeを見る際に推奨される速度は次の通りです。

動画の解像度推奨される持続的な速度
4K UHD20 Mbps
HD 1080p5 Mbps
HD 720p 2.5 Mbps
SD 480p1.1 Mbps
SD 360p0.7 Mbps

日本通信SIMの通信速度に関しては、混雑しやすい時間帯や電波が届きにくいような場所だと、用途によっては不便に感じる場合もあります。

ただしアベレージの速度自体に問題はなく、価格の安さも含めて考えれば十分な通信品質は確保されていると考えて良いのではないでしょうか。

通信制限時の通信速度

日本通信SIMでは設定した上限値を超えると低速通信になります。低速通信時の上限速度は公表されていませんが、かなり不便に感じる速度になってしまうのは間違いないと思われます。

低速通信になった場合、上限値を引き上げることで解除ができます(ただし、+220円/1GBの追加料金が実際に高速通信を使った分だけ発生します)。

シンプル290プランでは上限値を超えると日本通信のウェブサイトとマイページ以外にアクセス制限がかかるようになっていましたが、2023年4月からこのアクセス制限は撤廃されています。

日本通信SIMの申込から利用までの流れ

日本通信SIMはHPから申し込みができます。

STEP
申し込み

日本通信SIMの申込は下記のHPから行えます。

申し込みに必要になるものは以下の通りなので、事前に用意しておいてください。

  • 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
  • クレジットカード(本人名義のもの)
  • メールアドレス(フリーメールでOK)

これに加えて、他社から電話番号を引き継いで転入する場合は、事前に解約する携帯会社側で手続きをしてMNP予約番号を発行してもらう必要があります。MNP予約番号には有効期限があるので、期限内に申し込みを行ってください。

STEP
連絡メールを待つ

申し込みが完了すると日本通信側で簡単な確認や審査があります。問題が無ければ、SIMを出荷した旨のメールが来ます。

いっぽう本人確認書類などに不備があると、修正依頼のメールが来ますので、必要な対応をする必要があります。

申込内容にミスがあるとここでスムーズに進まないので、申し込み内容に間違いがないかどうか、申し込みを完了させる前に確認しておきましょう。

STEP
SIMカードを受け取る

SIMカードを受け取る際は、宅配ボックスではなく対面で受け取る必要があります。eSIMの場合は住所確認コードが普通郵便で届きます。

STEP
開通手続き

MNP乗り換えの場合は、マイページから開通手続きを行ってください。この時点で前に使っていた業者の解約が正式に完了し、日本通信SIMへの乗り換えが行われます。

その後はAndroidスマホの場合はAPN設定を、iPhoneの場合はプロファイルをインストールし、初期設定を行えば利用を開始する事ができます。

日本通信SIMの審査は甘い?

日本通信SIMの利用にあたっては、簡単な確認や審査が行われます。

審査と言ってもクレジットカードやローンの審査の様に、職業や年収をチェックされたりはしないので、余程の事がなければ問題なく通り利用を開始できます。

ただし日本通信SIMの運営会社である日本通信はTCA(電気通信事業者協会)やTELESA(日本テレコムサービス協会)において不払い者情報交換を行っている事業者の1つです。

現在携帯料金に未払い分があるなど、いわゆる携帯ブラックに該当するような状態の場合、不払い者情報により契約拒否となってしまう可能性はあります。

そのほか審査に通らない理由としては、申込内容に何らかの誤りがある場合が挙げられます。

この場合は申込内容を修正すれば利用を開始できます。申込内容は事前に間違いが無いよう、しっかり確認してから申し込みをしてください。

CICのブラックリストは影響しない

クレジットカードやローンの延滞、債務整理などでCICなどの信用情報がブラックだったとしても、審査には影響しないと考えて問題ありません。

日本通信はCICの加盟業者ではなく、日本通信SIMの審査でCICのリストを確認されることはありませんので、それが理由で審査に落ちることはないと考えて良いでしょう。

そもそも通常携帯会社がCICの信用情報を確認するのはiPhoneなどの通信機器を割賦払いで購入した場合であり、通常の審査においてはCICの信用情報は確認されませんので、それが原因で携帯を契約できなくなることは基本的にありません。

日本通信SIM支払いはデビットカードは使える?

日本通信SIMの支払い方法はクレジットカードのみとなります。デビットカードや口座振替などには対応していません。

クレジットカードを持っていない方の場合、日本通信SIMを利用するには新たにクレジットカードを作成する必要があります。

対応しているクレジットカードのブランドはVISA、マスターカード、JCB、アメリカンエクスプレス、ダイナースクラブで、日本で発行されたクレジットカードであれば、ほぼすべて問題なく利用できます。

クレジットカードが必要ない格安SIMを探す

日本通信SIMを解約したい場合どうしたらいい?

日本通信SIMを解約したい場合は、マイページから行います。

解約後も現在の電話番号を使用する場合

この場合は、マイページから「MNP予約番号を発行」の欄からMNP予約番号を発行してもらいます。

乗り換え先でMNP予約番号を利用して申し込みをし、切り替え手続きが完了した時点で正式に解約となります。解約が済めばメールでお知らせがあります。

解約後現在の電話番号を使用しない場合

現在の電話番号を解約後使用しない場合は、マイページの「解約」から手続きを行ってください。

初期契約解除について

契約直後に解約をしたい場合は、「初期契約解除」が利用できます。

初期契約解除制度はいわゆるクーリングオフに近い制度で、契約後8日以内であれば利用者側から無条件で契約を解除できる制度です。

日本通信SIMの場合、契約内容通知書の受領日から起算して8日が経過するまでの間が、初期契約解除の対象期間です。

初期契約解除をしたい場合は、日本通信側に書面または申請書に記入して通知をすることで行えます。マイページから解約すると、通常解約となるので注意してください。

日本通信SIMを利用するメリット・デメリット

メリットデメリット
月額料金が格安SIMの中でも最安クラス
データ通信量が足りなくても安価で追加できる
290円のプランを除いてかけ放題もついている
通信品質がキャリアスマホ等と比較すると低下する傾向にある
5~7GB程度のプランがない
回線がドコモのみ

日本通信SIMのメリット

月額料金が安い

日本通信SIMの最大のメリットは月額料金が最安クラスであることです。小容量帯であれば、日本通信SIMのシンプル290プランは業界最安クラスの月額料金で提供されています。

また10GBにかけ放題がつくみんなのプランや、30GBにかけ放題がつく30GBプランなども、他社と比較すると月額料金の安さは目を見張るものがあります。

このように日本通信SIMは、とにかく月額料金を安く抑えたいという方におすすめの格安SIMです。

データ通信量が足りなくても安価で追加できる

日本通信SIMではデータ通信量の追加が1GBあたり220円でありお得です。想定以上にデータ通信量を使ってしまっても、少ない負担で済みます。

かけ放題がつけられる

1GBプランを除いてかけ放題がついているので、電話料金を気にせず利用できます。また電話料金も11円/30秒と、一般的なキャリアスマホの電話料金22円/30秒より安価です。

自動でついてくるかけ放題で足りない場合は、無制限のかけ放題を申し込むことも可能です。

日本通信SIMのデメリット

通信品質が低下する場合がある

格安SIM全般に言えることですが、通信を行う環境や時間帯によっては、通信速度が低下する場合があります。高速通信に慣れている方だと、やや不便に感じるかもしれません。

5~7GB程度のプランがない

日本通信SIMのプランは4つしかなく、1GBプランの次が10GBプランや無制限かけ放題つきのプランになるので、中間の5~7GB程度のプランがありません。

5~7GB程度の容量帯のプランが欲しい場合は、HISモバイル(日本通信とHISの提携により提供)に7GBのプランがあるので、そちらを利用すると良いでしょう。

利用できる回線はドコモのみ

日本通信SIMで利用する回線はドコモのみで、au回線やソフトバンク回線を利用する事はできません。

この記事を書いた専門家

目次