喪主になる前に、これだけは知っておきたい葬儀の流れと手順

喪主になる前に、これだけは知っておきたい葬儀の流れと手順

葬儀というとほとんどの人が、通夜からお葬式・告別式のことを思い浮かべますが、葬儀を執り行うご喪家・ご遺族にとってはそれだけが葬儀ではありません。

葬儀は、ご家族やご身近の大切な方が亡くなったその瞬間から始まるのです。

目次

葬儀の流れ・手順

葬儀準備から、式後の火葬、そして遺骨埋葬や、その間に営まれる法要や追悼催事、故人の逝去に伴う社会的手続や遺品整理など・・・・といった葬儀後の諸事を含めた行程が、ご遺族にとっての葬儀と考えて下さい。

葬儀には事前の準備が必要です。
下記の葬儀準備の項目をチェックリストとしてお役立てください。

  • 喪主の確認
  • 寺院など宗教者への連絡
  • 故人さまの遺志/ご遺族の希望確認
  • 葬儀の形式(仏式・神式・キリスト教や無宗教形式)と規模の確認(予想会葬者数の算出)
  • 葬儀の場所(自宅・寺院・集会場・セレモニーホール・斎場)/日時の決定
  • 装飾/式典内容
  • 葬儀の見積り

「ご臨終」

現代では多くの方が病院のベッドの上で死を迎えます。入院療養中のご家族や大切な方が闘病の甲斐なく逝去されたとき、遺族はどう対処すべきでしょうか?

と言うのも、辛いことですが、大切な方がたった今息を引き取ったその直後から、遺族にとっては葬儀への対処が始まるからです。

「お迎え~ご遺体搬送」

病院等でお亡くなりになられた場合は寝台車でお迎えにあがり、ご自宅もしくは、安置室(霊安室)までご搬送をします。搬送手続きの前に必ずご安置場所をご指定ください。

ご安置の場所として、ご自宅に安置することができない場合でも、葬儀社が安置室を確保することができます。

また、ご遺体の搬送には「死亡診断書」の携行が義務付けられていますので必ず病院よりお受け取りください。

「ご遺体安置」

故人さまを清潔な布団に寝かせ、ご遺体を「北枕」といって頭を北にして仏間か座敷にご安置します。

間取り関係で北向きに寝かせられない場合、西向きにしても構いません。枕飾りは葬儀社で設置します。

葬儀社によっては、枕飾りや線香、ローソク、ドライアイス、お棺、ご遺影写真などお葬式に必要なものが含まれているセットプランもあります。

枕飾り 小さな机に三具足(燭台・香炉・花瓶、それぞれローソク・線香・一輪花)、りん、湯のみ、一膳飯、枕団子を用意します。

※宗派、地域によっては不要なものがあります。

「葬儀の打ち合わせ・準備」

僧侶が到着する前に、葬儀社の担当者及び近親者と葬儀の打合せをします。

なお、このときまでに、葬儀社の担当者に「死亡診断書」を渡し、「死亡届」、「火葬許可証」などの手続を代行してもらうようにします。

打ち合わせすべき主な事柄を順を追って説明します。

STEP
役割分担の確認

喪主、世話役(葬儀委員長なども含む)受付、会計、接待、僧侶案内などの係を決め、役割分担の確認をします。

STEP
弔辞奉読の依頼

弔辞奉読を行う場合は、誰にお願いするかを決めます。

STEP
葬儀の確定

日時、葬儀の型式(宗派など)、斎場(式場)・火葬場の確定します。

STEP
会葬者数を予測

会葬者数を予測し、接待用飲食、会葬御礼・香典返しなどの数量と内容を決定します。

STEP
必要な費用を見積もり、現金を用意

必要な費用を見積もり、現金を用意します。葬儀代、お布施、戒名料、お車代、心付けなど、多めに用意し、それぞれに使う包み袋も準備します。(故人の預金などを使う場合は、注意が必要です。)

STEP
貸衣装、着付け・美容などの手配

貸衣装、着付け・美容などが必要ならば、その手配をします。 関係者・近隣への連絡 打合せで葬儀の概要が決まったら、親戚、故人や遺族の関係者・勤務先、近隣など、会葬予定者を中心に、手分けして連絡します。この時、弔辞を予定する人には、特にその旨をお願いします。なお、町内会・自治会などの責任者にも連絡します。

「納棺」

僧侶が到着したら、ひとまずお茶などを出して挨拶した後、ご遺体の前に案内し、「枕経(まくらぎょう)」を読経してもらいます。

「枕経」は、納棺の前に死者の枕元でする仏式葬儀の作法で、遺族もご遺体の前に控え、一緒にお弔いします。 枕経が終わったら、僧侶立ち会いのもと、近親者でご遺体を棺に納めます。

このとき、ご遺体には死装束を施し、故人の愛用品なども一緒に納めます。(火葬の際に燃えない金属類は、納棺しないようにします。)

斎場(葬儀式場)等で通夜-告別式を行う場合、納棺された遺体を遺体搬送車(寝台車)に載せ、自宅から斎場へ向かいます。

このとき、ご近所の方のお見送りがあれば、出発前に、喪主が故人に代わって、お別れのご挨拶と生前のお付き合いへの謝辞を述べます。

「通夜」

通夜は、ご遺族や故人さまと親しかった人たちが、故人さまとの別れを惜しみながら、一緒に過ごす最後の時間です。

かつては、ご遺体に邪霊が侵入するのを防ぐといった意味から、文字通り、夜を徹して故人さまの枕元に付き添っていたものでした。

しかし最近では、夏は夜の7時、冬は6時くらいから弔問客を迎え、1〜2時間程度営むケースが多くなっています。

○僧侶を迎える
僧侶を迎えるために控え室を用意しましょう。ご遺族は茶菓子でもてなし、喪主が控え室に赴いて、挨拶します。それから、喪主が同席したうえで、葬儀社の担当者と僧侶とが、通夜の進行の打合せを行います。

○僧侶による読経〜焼香
読経の途中で遺族側から焼香を始め、次に参列者の焼香が行われます。

○喪主は弔問客の応対
焼香が済んだ参列者に、会葬礼状や返礼品を渡します。

○通夜終了時の喪主による挨拶

「告別式」

ほとんどの告別式(葬儀、葬式)は、故人の死を悼み仏や神に祈る宗教儀式です。

故人または喪家の信仰する宗教・宗旨宗派・教団によって定まっている葬送儀礼に則って行われます。

現在のところ日本では、9割以上の葬儀式は仏教によって行われています。

しかし、ひとくちに「仏教による葬儀式=仏式葬儀」と言っても、その儀礼・作法は宗旨宗派によって違いがあり、また、それら儀礼が意味するところや葬儀の意義も宗派の教義によって異なります。

ですから、仏式葬儀であっても、遺族は故人および喪家の宗旨宗派を正確に知っていることとそれを葬儀社に間違わず伝えることが、たいへん重要になります。

「告別式・ご遺族側流れ」

○式場の準備
祭壇・式場・受付の設営準備をします。

○僧侶との進行の確認(通夜式と同じ)

○弔電の確認
電文と氏名を読み上げる弔電はあらかじめ選んでおきます。

○供花/供物の確認

○火葬場への同行者の確認
火葬場まで行く人数が多い場合は、マイクロバスなどを手配する必要があります。

○告別式典

「出棺」

ご遺族、親族にとって故人さまとの最後のひとときです。お別れの儀が終了したところで、喪主より参列者の皆さまへ御礼の挨拶をします。

その後、火葬場へ向けて出棺となります。

「火葬」

火葬場についたら、故人さまとの最後の対面をした後、喪主からご遺族・親族と関係が深い順に焼香し、納めの式を行います。

休憩室で約1時間ほど休息をしてお骨上げを待ちます。

○お骨上げ
火葬を終えた後に遺骨を骨壺に収める儀式です。喪主から故人さまと関係の深い順に、2人1組で箸を使い、一片の骨を骨壺に運びます。

「初七日法要・精進落とし納棺」

初七日法要は、亡くなられた日から七日目に行う法要ですが、現在では、当日に初七日法要も一緒に行う地域が多いいようです。

関東では告別式後すぐにおこなう式中初七日法要、関西では火葬後におこなう初七日法要が一般的です。

また、最後までお付き合いいただいた方へ精進落としの席を設ける場合もあります。

「後飾りと諸事」

ご納骨までの間「ご遺骨」「位牌」「遺影写真」を後飾りの祭壇にご安置します。

七七日忌(四十九日)までに黒塗りの位牌・お礼状、香典返しのご用意をします。

※宗派によって異なります。

「納骨・四十九日」

葬儀の後、自宅に安置していた遺骨を墓に納めることを納骨といいます。

また、人の死後四十九日間は中有 (ちゅうう)に迷っているため、死者のために追善供養をして冥福を祈り、死者が果報を得て成仏するように、初七日から七日ごとに供養する習慣があります。

特に四十九日の法要は重要な儀式とされ、家族や親戚などが集まって盛大に行われることが多いです。

供養として海洋散骨の増加

誰も墓参りに来れないような場所のお墓より、散骨を希望される方が増えています。

散骨は粉状にした故人様のお遺骨を散布することで、埋葬行為ではありませんので、 許可や申請が必要ありませんが、散骨するには必ずお遺骨を粉状にする「粉骨」が必要になります。

お遺骨をそのままの姿で散骨すると、事件として刑法に触れることになるからです。

少子高齢化や核家族化で散骨の需要が増えてきたことから、 法務省は散骨について、「葬送の目的で節度を持って行えば問題ない」 という見解を出しています。

故人様をお送りするというはっきりとした目的を持ち、 人に迷惑をかけずに、自然を大切にするという基本的なマナーを守れば合法なのです。

「子孫へ負債を残さない逝き方」 墓は維持し続けている限り管理費などの費用、 墓参りの手間が必要な反面、散骨は以後一切費用も手間もかかりません。

この記事を書いた専門家

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